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USBワイヤレスオーディオアダプタ

REX-Link2 モニターレポート


(このレポートは2007年4月現在のものです)

No.2 東京都 加藤 様

1.はじめに「音楽をオーディオファイルで管理することに対する限界と、その現状」

私は、プロとして音楽制作に関わり、現在はインディーズレーベルを主宰し、多くのアーティストの音楽制作に携わりながら、多くのバンドのマネージメントも従事しています。

私が、このモニターに応募した理由は大きく分けて2つあります。

所蔵CDのダウンサイジング

まず、一つ目は個人的な理由で、ちょうどこのモニターに応募する時期に、引っ越しを考えており、これを機に数千枚にふくれあがってしまった所蔵CDのダウンサイジングをもくろんでいた事。リムーバブルストレージの価格が大幅に下がってきた事もあり、これを機にほぼ全てのCDをリッピングし、オーディオファイルとしてデータでの管理を試みようと思い立ちました。ただ、これを実現したところで、音楽を聴く環境がPCを置く場所に制限される(具体的には、私はノートを使っているので、ノートからアンプにオーディオケーブルを接続するのであればそのケーブルに物理的に縛られる事になり、ノートの特性を生かせなくなる)という問題に直面し、これを解消する必要に迫られました(Air Macという選択肢もありますが、DTMアプリケーション上でのオーディオファイル再生や、Napsterの再生等の、iTunes以外の音楽環境に対応しないというのは、決定的な弱点であると思われるため、この選択肢は早い段階で消していました)。

そこで、私が望んだ仕様は、以下の2点。
  1. ノートの特性を生かすため、無線LANの様にワイヤレスでオーディオデータをアンプまで飛ばすことが出来る事。
  2. 職業上利用するオーディオのフォーマットは非圧縮のAIFFである為、ワイヤレスのデータの送信は非圧縮であること。

この2点をクリアする商品を探していたところ、REX-Link2の情報に出会い、そして、モニターの募集を知りました。REX-Link2は、以上の私の構想をそのまま完璧に実現しうる物であると思い、すぐに応募したしだいです。

記録した音源の再生

この個人的な理由とは別に、PCが音楽制作の現場の主流になり、多くのミュージシャン(デジタル知識に精通していない層も含む)も音楽を聴く、及び管理することにPCを使い始めた(iPodを使い始めたとも言える)今だからこそ起こりうる問題に、常々、頭を悩ませていました。

現在では、どんなバンドでも、リハーサルスタジオで曲作りや、アレンジの作業をしながら、その制作途中の音源を記録する方法はメディアを介する事なく、データのままハードディスクに取り込む事が主流です。高度な事ではなく、持ち込んだノートPCのオーディオポートにマイクを挿し、そのままハードディスクに録音するぐらいの気軽な使い方が増えています。

ただ、ほとんどのミュージシャンは、せっかく取り込んだそのオーディオファイルを、一旦CDに書込み、それを自宅のオーディ オシステムで再生する事が普通です。そのため、CDに書き込む手間や、その度に増えるCD-Rが大量になって行くという問題点がミュージシャンの間で指摘されていました。平均的な10曲入りのアルバム1枚を完成させる作業期間で言うと、100枚近いCD-Rをつかうこともざらです。

PCの貧弱なスピーカーでは、楽曲や音質の確認が出来ないため、普段使っているオーディオシステムで音を確認したい。その為だけに介在するCD-Rは完全なる使い捨てでしかなく、もっと言うと、スタジオで録音されたオーディオファイルをバンドメンバーや、制作スタッフに配布する為には、現在はメール等を用いています。ネットでやり取りしたオーディオデータを、毎回全員がCD-Rに焼く事の無駄をなんとかして排除したい、そんな問題点を感じている製作陣や、クリエーターが多いのです。この商品を知った時に、この長らく感じていた問題を解決するにはぴったりなのではないかと思い、即座に応募しました。

2. 第一印象「デザインについて」

当初は、モニター応募ではなく商品購入を検討しており、その過程においてREX-Link1のモニターレポートや、REX-Link2の商品解説に目を通していた為、パッケージ、及び商品自体のデザインに関しては、十分に想定できていましたが、モニター用の商品を受け取った際の第一印象は、多くのREX-Link1モニターレポートの声にあった、「デザインが弱い」という声に近いものでした。

USB部分は昨今あまたあるフラッシュメモリーの一般的なデザインの範疇を超えず(ここまでフラッシュメモリーが当たり前になった今、性能や価格ではなくデザインで切り込もうとする動きが出て来てしかるべきであり、そのコンセプトで成功しつつある事例もある)、残念至極。

ただ、より声高に叫ぶべきであるのは受信部のデザインであり、そのジュークボックスのポップなデザインは、00年代の商品としては、多いに疑問を感じます。私が仕事上で付き合いのある(これからを担うであろう)若いクリエーターやミュージシャンのほとんどは、20歳代前半であり、そんな彼らからすると、このデザインからアメリカンジュークを発想する事すら困難であるという事実があります。実際、9人の23〜24歳のミュージシャンに意見を聞いてみたところ、アメリカンジュークのデザインであることに気づけたのは、たった1人でした。

また、別の側面からも、このデザインに疑問を感じます。パッケージやカタログで露出しているPCハードはMacのPowerBook チタニウムであり、同じく露出しているオーディオシステムもシルバーで統一しているにもかかわらず(もっと言うと、このシルバー主流の発想も、MacBookの登場により変わり始めているという事実は忘れずに指摘したい)、そのパッケージデザインをあえて無視するような商品デザインは、この商品のコンセプト自体を分かりにくいものにしている気がします。少なくとも前述の若いミュージシャンたちに、商品特性の説明なしに、このパッケージと、商品を見せたとき、彼らは、この商品の持つ優れた特性を想像することすらしませんでした。

このデザインは所有欲を刺激させるものではないという事だと思います。これは、私もほぼ同意見です。パッケージに書かれたテキストの多さも、バッファロー等のメーカーが採用するデザインを踏襲しているように見え、せっかくの商品性の高さを相殺しかねない危惧を感じます。別にLaCieのような洗練が全てではないと思いますが、商品性の高さからすると、多少なりとも大衆への迎合が過ぎた印象を受けます。無視し得ないマーケットとして、クリエータへのアピールを増やすべきではないかという思いが私には強い為、このデザインや露出の方向性は、クリエータやミュージシャンの間に本商品を広める為の障害になるような気がします。

3.接続パソコンとオーディオ

私が用いた環境は、以下の4種類です。
  1. マシン:Mac PowerBook G4 チタニウム(1.67Ghz / 1GB DDR SDRAM / OS X 10.4.9)
  2. マシン:Mac iBook G4 (800MHz / 256MB DDR SDRAM / OS X 10.3.0)
  3. マシン:SONY VAIO PCG-R505Q/BD(1GHz / 256MB DDR SDRAM / OS Windows XP )
  4. 1.の環境上で走らせたVirtual PC (Windows XP)

これらのハードに用いたオーディオシステムは、以下の2つ
  1. DENON AVC-1550から、モニターONKYO D-105への出力
  2. 業務用システムから、モニターYAMAHA NS10Mへの出力

4.セッティングとパフォーマンス

送信機はUSBに接続するのみ

本製品のセッティングは、Mac OS、Windows OSの違いに関わらず、ドライバなしで、送信機をUSBに接続するのみで終了。この特性は、まず圧倒的です。特にMac OSとの相性はずば抜けていると言えます。多くのメーカーがMac OSでの動作をフォローしない現在、この完璧な動作環境のマッチングは、音楽を扱う商品としては、突出している気がします。

通常、ドライバが必要であったり、多様なセッティングが必要な事が多いWindow OSでの使用も、何の問題もなくあっというまに終了する製品特性も特筆すべきです(ただ、私のWindowsマシンでのセッティングは、マニュアル通りにおこなったにも関わらずにうまくいかず、マニュアルのQ&Aも役に立たないまま、再起動で問題が解決されるという基本的なアクシデントがありましたが)。

受信機を接続すると自動でリンク確立

受信機側も、付属の光デジタルケーブルで受信機とアンプの光ポートを繋ぐだけ。 音楽の再生も、受信機側の電源を入れ、送信機をUSBポートに差すだけでだけで自動的にワイヤレスのリンクが確立され、ユーザーサイドでの手間は一切なし。リンクの確立も想像以上のスピードです。

また、リンクとデットリンクの状態は受信機、送信機共に点灯するライトの色で判別でき、そのライトの大きさ、光量はともに十二分にあり、文字通り状態を一目で確認できる点はとても満足度が高い。デザインを優先する為に、機器の状態を示すライトが小さかったり、暗かったり、またそのライトの点灯する位置が見づらいところにあるような機器が多い今、この点は本器のデザインで唯一、評価できます。 まず、私のメインマシンであるMac PowerBook G4でのiTunesを立ち上げ、通常通りファイルを再生すると、送信機、受信機共にワイヤレスのリンクを確立すべく点滅、点灯し、すぐに音楽の再生が可能という手軽さは本当に魅力的です。この手軽さは、前述の全ての環境でも同じで、スペックの低いiBookや、動作に不安の残るVirtual PC上でも問題はありませんでした。

PCによる音質の差はなし

また、自宅のオーディオ環境下で試みた、全てのPCでの音質チェックでも、全くと行っていい程の音質の差は感じられませんでした。 この、どの環境においても簡単に機能し、且つ再生される音質に違いが感じられないという利便性は、とにかく想像以上でした。 これであれば、全ての所蔵CDをファイルで管理し、日常の音楽の再生をワイヤレスで行うという今回の目的を、完全に実現できる商品だと言えます。

5. 気に入った点、気になった点

(1)最も肝心な「音質」について

自宅の環境ではほとんど遜色なく再生で来た気がしますが、スタジオで再生した印象は以下の通りです(使用マシンは前述動作環境 1 のPowerbook)。
以上の点は実際の解析データからのものではなく、あくまでも印象なのですが、何人ものミュージシャンやクリエーターからも同じような声が聞かれました。ただ、ほぼ全員が、ワイヤレスであるということに対する信頼性の不安という、一種の暗示にかかっている為かもしれないという意見があり、これはとても面白い考察だと思いました。

(2)動作について

(3)デザイン、使い勝手について
(4)制作現場での使い勝手

これは一般の人には関係ない事ではありますが、制作現場にこれを持って行き、実際に用いた上での感想を書きます。

6.終わりに

苦言も含め、忌憚ない意見を書かせてもらいましたが、総合評価としては、とても満足度の高い商品である事は間違いありません。その証拠に、このREX-Link2を現場に持ち込んでからたった2週間のうちに、4人のミュージシャンやクリエーターが購入を決意しています。また、この商品の概要を口で説明するだけで、強い興味を示す業界人が多いのも事実です。それ以上に、私は自宅用以外の用途としての仕事ユース用に、もう一セットを購入しました。

この商品が想定する主要購買層をどこになのかは分かりませんが、一般リスナーのみならず、是非、クリエーターへ向けてのアピールをより積極的に行ってほしい気がします。これだけ高い商品性をもつにもかかわらず、クリエーター内での知名度が低いのはとてももったいない事だと思うからこそ、私がクリエーターのクチコミのルートにこの商品を乗せる事の微力ながらも尽力できていれば幸いです。 最後に、このモニターの機会を与えていただきました、RATOCの方々に感謝いたします。

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