USBマルチディスプレイアダプタ
REX-USBDVI モニターレポート
(このレポートは2007年9月現在のものです)
No.3 東京都 理系単科大学教員 様
1.はじめに
筆者は、仕事上、携帯が可能なPC(サイズはA4未満、重量1kg程度、OSはWindows)を手放すことができないため、主な作業はノートPCで行えるようにしている。最近では、このB5クラスのノートPCの性能でも、画像や動画の処理、CADによる図面作成、Officeでの事務作業を行うことが十分可能になっている。しかし、処理能力が十分でも画面サイズや解像度についてはノートPCであるために変更ができず、机上で上記の作業を長時間行うには非常に不便だと感じていた。ここで、「VGA端子があるのだから外付けディスプレイで解決できるだろう。」という声が聞こえそうだが、それは始めから筆者の選択肢には入っていない。それは、スペースの問題からCRTをLCDに換えてから、アナログ出力でLCDに表示される画質に不満を持っているからである。
このサイズのWindowsノートPCにはDVI出力が可能な機種は存在しない。筆者が知る中でもっとも小さいものは、13.1インチサイズの液晶を持つVAIOの一機種である。(ただし、この機種でも本体のみでは不可能で、ポートリプリケータを介したDVI出力を行う必要がある。)サイズは多少大きい程度だが、重量は2kg強・・・。「画質を優先して妥協か?」との迷いもあったが、やはり毎日持ち運ぶ気にはなれなかった。また、VGA出力をアップコンバートする機器も検討したが、あまりに高価すぎたため、「もし画質がひどかったら?」と試す勇気は起きなかった。さらに、Macへの移行も画策したが、周囲との連携や使用しなければならないソフトウェアを考慮すると、たいへんな手間とお金をかけた大きな冒険になり、AppleのWebサイトにあるような簡単な移行話と思うことはできなかった。
新しいノートPCを購入する機会がある度に、「何かよい方法は?」と探していたのだが、今回、この製品を見つけることができた。もしその仕様(特に画質)が筆者の使用状況で満足できるのであれば、机上での長時間の作業のために使用しているデスクトップPCの管理作業やスペースは不要になり(バックアップは当然外付けHDDやDVDなどで行うので問題はない。)、非常に快適なPC環境が手に入るだろう。これが動機となり、ノートPC依存の筆者は本製品モニタへ応募をした。
2.第一印象
本製品モニタに当選し、送られてきた製品を手に取った際の感想は、次の通りである。
-
パッケージは情報をたくさん載せてあるために、多少うるさい。もっとシンプルであれば良かった。
- 内容物は最小限。ただ筆者には、専用DVI-VGA変換アダプタは不要だった。
- 本体が意外と小さいと感じたが、PC Watchのレビューを見た後では、もっと小さくできたのではと思った。
- 大きさ以外の形や質感などは満足。六角ボルトやアルマイト処理などに作った方のこだわりを感じた。
3.接続パソコン
本製品を使用して接続したノートPCと液晶モニタの仕様は次の通り。
| パソコン |
: |
Lenovo ThinkPad X60 |
| OS |
: |
Windows XP Professional SP2 |
| モニター |
: |
EIZO FlexScan L997 |
| 解像度 |
: |
1600×1200 |
また、今回は本製品で使用可能な拡張モードとミラーモードの二つのモードを試した。
4.セッティングと動作結果
レポート作成の手を抜くわけではないが、本製品をPCとLCDへ接続し、使用できるようになるまでは、ほとんど付属のマニュアル通りで問題はなかった。前述したPC Watchのレビューでも同様に書かれており、さらに詳しく解説もされているので、そちらはとても参考になると思う。設定作業を進め、デフォルトのモードである拡張モードによる画面表示がされた際には、満足のいく画質の画面が現れ、久しぶりに楽しくなった。やはりLCDは、DVI出力でなければ使う意味がないと再確認した。
上記のようにほとんどマニュアル通りであるのだが、いくつか気になる点があったので、以下に箇条書きにする。筆者の環境だけで起こる問題かもしれないので、参考程度にしていただきたい。
- 本製品を接続する前に付属CD-ROMからドライバを入れる作業が必要なのだが、その作業が終わった直後の再起動時に、正常にインストールされたドライバが見つからないとのエラーメッセージが表示された。マニュアルには未記載なのだが、ラトックシステムのオフィシャルのWebサイトにある本製品のFAQの中には掲載があり、問題はないエラー表示とのことだった。
- 付属ソフトウェアの挙動が多少不安定に感じた。拡張モードにおいてそれぞれの画面において壁紙を設定できるのだが、ノートPCとLCD、それぞれの最大解像度に合わせた壁紙を用意し、表示位置を「中央に表示」を選んだ場合には画面の表示が乱れた。「拡大して表示」を選べば、問題なく絵柄も解像度も異なる壁紙が表示された。
- 本ソフトウェアのホットキー機能が、ノートPCに付属のホットキーの機能とぶつかってしまった。未使用のキーバインドでの再割り当て、またはどちらかの機能を使用しないなどの対策が必要になった。
- 記載されているので当然なのだが、ミラーモードでは、ノートPC、LCDのどちらにおいても、表示内容と一緒に、解像度も同じになる。解像度の異なる同じ表示内容の画面が出力されるわけではない。
- 静止画については十分満足できると思うが、動画表示を考えているのであれば、本製品に過度の期待はするべきではない。特に、筆者のようにノートPCとの使用を考えるのであれば、動画は、画像の判別ができれば良い程度の気持ちが必要だと思う。
5.導入後の活用例
本製品によって、ノートPCの表示をその画質を落とすことなく、大画面に出力できるということが可能になった。これは筆者が以前から持っていた問題を解決するものになった。現在、長時間の作業になる場合には、本製品を使用してノートPCをLCDと接続し、さらに外付けのキーボードおよびマウスを接続して、即席のデスクトップ環境を作っている。データ整理や管理の手間を考えると、近いうちに日常使いのデスクトップは不要になるのではと思っている。この点で本製品は満足のいくものだった。
また、本製品をモニタすることが決定した後、その基本的な使用方法に記載はないが、筆者にはぜひ試したかったことがあった。それは、この製品をKVM切替器につなぐことである。手持ちのDVI出力の可能な他社製の切替器に接続してみたところ、デジタル接続特有の切り替え時の動作が遅くなるという表示のもたつきはなくならず、一瞬、画面表示も乱れるが、切り替え後は正常に表示され、使用に問題はなかった。筆者は、本製品の異なる利用方法として好感を持っている。
ただ、欲を言えば、このような使用の場合には、本製品の機能を切替器と統合してもらい、切替器とノートPCをUSBケーブル1本で接続できる新しい製品がほしいと感じた。さらに切替器でなくとも、本製品に外付けキーボードとマウスを接続でき、USBケーブル1本でノートPCがデスクトップの本体になるような使い方の可能な製品があっても良いのではないだろうか。ケーブル1本でできるのであれば、複数のPCを管理し、データをやり取りするよりも、とても便利ではないかと思う。
6.おわりに
とりとめもなく本製品をモニタ使用した感想をつづってきた。初めてのモニタ体験であったため、いろいろと不備もあると思うが、本レポートが本製品を購入する方の何かの役に立てば幸いである。動画以外での使用においてその画質は申し分なく、小型のWindowsノートPCからDVI出力をしたいと考えている方には、ぜひ本製品をお薦めしたい。最後に、筆者を本製品モニタに選んでくださったラトックシステム株式会社に心より感謝して、本レポートを終わりとする。