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製造業の現場では、環境負荷をいかに低減し、その取り組みを客観的に示すかが大きなテーマとなっています。特に水処理や排水管理は、持続可能な生産活動に直結します。
本記事では、製紙工場で導入されている「白水フィルタ」のIoT通信キットユースケースを紹介します。これは製紙業界に限らず、「自社の工場で環境負荷軽減の効果をデータで示したい」というニーズに応用できる仕組みとなります。
製紙工程では大量の水を使用しており、排水処理は環境負荷低減をする上で重要な課題です。この工程で発生する「白水」には微細なパルプ繊維が含まれており、そのまま排出すると資源ロスや水質汚濁につながります。
そこで白水フィルタは、排水中の繊維を回収・再利用する役割を果たしています。
【プラント構成例】
濁度計、流量計を組み合わせ、処理前後での濁度の変化を把握します。IoT化することで現場に足を運んで記録する手間を減らし、デジタルデータは分析に活用。IoT通信キットで数値化し遠隔からいつでも確認できる体制を整え、常時データを蓄積することで、「環境負荷の軽減効果を見える化」します。
IoT通信キットを導入することで、複雑な現場の計測データをシンプルに収集・活用できる仕組みを短期に構築できます。
さらに当社は、現場に合わせた最適な仕組みを実現します。
今回、製紙工場の白水フィルタ前後の濁度の変化と白水の流量をIoT通信キットで収集し、見える化する活用例をご紹介しました。このようにフィルタの効果を客観的なデータとして示すことで、環境負荷を減らす取り組みの裏付けにできます。
この仕組みは製紙業界にとどまらず、食品・化学・金属加工など、水処理設備を持つさまざまな工場でも応用可能です。まずは試験的に導入し、効果をデータで確かめながら本格展開につなげることもできます。