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IoT通信キット活用例:白水フィルタを使った環境負荷の軽減を可視化

2025.10.08

はじめに

製造業の現場では、環境負荷をいかに低減し、その取り組みを客観的に示すかが大きなテーマとなっています。特に水処理や排水管理は、持続可能な生産活動に直結します。
 
本記事では、製紙工場で導入されている「白水フィルタ」のIoT通信キットユースケースを紹介します。これは製紙業界に限らず、「自社の工場で環境負荷軽減の効果をデータで示したい」というニーズに応用できる仕組みとなります。

白水フィルタのIoT化

白水フィルタとは

製紙工程では大量の水を使用しており、排水処理は環境負荷低減をする上で重要な課題です。この工程で発生する「白水」には微細なパルプ繊維が含まれており、そのまま排出すると資源ロスや水質汚濁につながります。
 
そこで白水フィルタは、排水中の繊維を回収・再利用する役割を果たしています。
 

  • 繊維ロスを低減 紙にできる長繊維を取り出して原料として再利用
  • 新規取水量を削減 繊維分の少ない水は工場内で再利用
  • 環境負荷を軽減 フィルタできない微細繊維のみ薬品で廃水処理

 
【プラント構成例】

IoT化の狙いとメリット

濁度計、流量計を組み合わせ、処理前後での濁度の変化を把握します。IoT化することで現場に足を運んで記録する手間を減らし、デジタルデータは分析に活用。IoT通信キットで数値化し遠隔からいつでも確認できる体制を整え、常時データを蓄積することで、「環境負荷の軽減効果を見える化」します。
 

  • フィルタ効果を定量的に把握
    処理前後の濁度を比較し、改善効果を数値で確認。
  • 遠隔監視による効率化
    工場現場に行くことなく、スマートフォンからリアルタイムに状況を把握。
  • クラウド蓄積によるデータ活用
    蓄積データを分析し、環境負荷軽減の取り組みを裏付けるエビデンスとして活用。

システム構成例

計測機器

  • 濁度計(RS485/4–20mA信号)×2台
  • 流量計(パルス信号)×1台

IoT通信ユニット2

  • RS485接続、アナログ入力(4–20mA)、パルス入力に対応
  • 各計測器を接続し、データをリアルタイム収集

クラウド環境

  • 濁度計と流量計のデータを自動でクラウドに蓄積
  • スマホやPCから遠隔でモニタリング

IoT通信キットを使うメリット

IoT通信キットを導入することで、複雑な現場の計測データをシンプルに収集・活用できる仕組みを短期に構築できます。
 

  1. マルチインターフェイス対応 RS485、4-20mA入力、パルス入力を1台で無線化。
  2. クラウド連携が容易 標準でクラウド接続済み、データ収集から可視化まで短期構築。
  3. 試験運用から拡張可能 実証実験後に温度・圧力・pHなど各種センサー追加可能。

ラトックシステムの強み

さらに当社は、現場に合わせた最適な仕組みを実現します。
 

  1. 既存ハード・クラウドをベースに設計、導入コストと期間を削減できます
  2. 計測器の最適選定、現場条件に応じたセンサーを選定可能です
  3. ファームウェア/クラウドをカスタマイズ、用途に合わせたデータ処理・可視化を実現します
  4. アプリ開発までワンストップ、現場が必要とする機能を提供します

まとめ

今回、製紙工場の白水フィルタ前後の濁度の変化と白水の流量をIoT通信キットで収集し、見える化する活用例をご紹介しました。このようにフィルタの効果を客観的なデータとして示すことで、環境負荷を減らす取り組みの裏付けにできます。
 
この仕組みは製紙業界にとどまらず、食品・化学・金属加工など、水処理設備を持つさまざまな工場でも応用可能です。まずは試験的に導入し、効果をデータで確かめながら本格展開につなげることもできます。

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