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Macの本体標準 FireWire ポートのご使用に関して

第2版:2002年7月 2日
2002年6月21日
ラトックシステム株式会社
平素は弊社 FireWire 関連製品をご愛用いただきありがとうございます。

本文書は弊社が弊社製品をご使用中にPowerBookG4,iMacDV,PowerMacG4のFireWireポートが破損したという報告を元に原因の解析を行い、弊社として提供しうる回避方法について説明したものであり、原因の解析結果と見解はすべて弊社の責にあります。したがって、本文書の記載内容に関するアップルコンピュータに対するお問合せおよび一部の無断引用は固くお断りいたします。また弊社では他社の FireWire機器に関する確認のお問合せには応じかねます。

最近アップル・ディスカッションボードなどで、バスパワード機器(本稿中では「Mac本体標準FireWireポートのコネクタから外部に供給されるCable Powerを使用する機器」という意味で使用しています。)を本体標準 FireWire ポートに接続すると、本体側の FireWire ポートが壊れて機器を認識しなくなるという事故が報告されております。

弊社におきましてもお問合せ記録・サポート記録を再度調査いたしましたところ、報告されているような事例に該当すると思われる事故がこれまでに6例報告されていました。出荷済の対象機器の数量からすると少数(0.1%以下)であったため個体不良、またそのうち 4例が同一のユーザ様のところで連続して発生しておりましたことから、電源接地 (アース)やコネクタ不良など個別の原因に関する解析を続けてまいりましたので、原因の特定に時間を要し、ご愛用者の皆様への報告が遅れましたことをお詫びいたします。

事故発生原因の解析を続けた結果、個体不良等の問題ではなくMac本体のFireWireポートのCable Power供給回路あるいはPHY(物理層)chip周辺回路に起因してPHY chip が破損することが原因ではないかという結論を得ましたので、事故回避策とあわせて報告いたします。本文書ではその解析結果に基づく事故の回避方法と、弊社製品を安心してご使用いただくためにご注意いただきたい事項について説明いたします。


▼現象



Macの電源が入った状態でMac本体の FireWire ポートにバスパワード機器を接続すると、PowerMac, PowerBook, iMacDV の特定の機種ではMac側の FireWireポートを破損する恐れがある。


▼対象製品


以下の製品では、必ず後述の「事故回避のための注意事項」に沿ってご使用ください
リムーバブルケース FR-DK1, FR-DK2, FR-MDK1 (FireDockシリーズ)
ドライブケース RS-FWEC5X, RS-FWEC5 (生産完了製品)
CD-RW RCD-PX1610H (生産完了製品) , RCD-PX1210H (生産完了製品)
HDD RHD-DT75G (生産完了製品)

これらの製品は、機器 (弊社製品) 側の主電源OFF時もデイジーチェーン接続されている FireWire 機器の動作に支障がないよう、外部からの Cable Power を使用 (200mA程度) し、 FireWire リピータとして動作させています。

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以下の製品では、バスパワード機器とデイジーチェーン接続して使用される場合、必ず後述の「事故回避のための注意事項」に沿ってご使用ください
UltraSCSIコンバータ FireREX1
ポータブルCD-RW RCD-PN0804P (生産完了製品)

これらの製品は、Cable Power を全く使用しませんので、当該弊社製品とDVカメラなどのi.LINK機器や Cable Power を使用しない機器をデイジーチェーン接続でご使用になる場合は問題はありません。 ただし、Cable Power を使用するバスパワード機器とデイジーチェーン接続して使用される場合は、必ず「事故回避のための注意事項」に沿ってご使用ください。


▼対象となるMacの機種について


2002年9月24日現在、弊社で測定済で実際にFireWireポートが破損した機種は、以下の通りです。

PowerMac G4 450 M5183
PowerMac G4 400 M7824J/A
PowerBook G4 400 M5884
PowerBook G4 500 M7710J/A
iMacDV SE 400 M7671J/A

破損事故が発生する可能性のある機種、事故が発生する可能性が低いと思われる機種については、今後調査が終了次第公開いたします。

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また下記の機種についてはFireWireポートにESD保護素子が追加されており、PHYの静電破壊対策がなされています。その結果 Cable Power 供給線上にスパイクが発生しても PHY, FireWire 信号線にはまったく影響がありません。また、PHYへの電源供給回路が変更されているためか、PHYの電源端子にも全く影響が現われておりません。したがって本稿のような事故が発生する可能性は、低いと思われます。

PowerBook G4(DVI) 667 M8591 J/A オシロスコープ測定データとESD素子

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下記の機種については、CablePowerが25VでCablePower供給線上にスパイクが発生してもPHY電源端子と信号端子上への影響はほとんどありませんでした。FireWire信号端子への誘導がみられますが、コモンモードチョークコイルの外側で信号ラインが接触する前ですので機器への影響もないと思われます。

PowerMac G4 800 (QuickSilver) M8493J/A オシロスコープ測定データ


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下記の機種については、CablePowerが12VでCablePower供給線上へのスパイクも検出されず、FireWire信号の変動もみられませんでした

iMac G4 800 (Flat panel) M6498 オシロスコープ測定データ
iBook 700 M8602J/A オシロスコープ測定データ




▼事故回避のための注意事項


Mac本体標準 FireWire ポートの破損事故は、スリープ中も含めMac本体の電源がONになっている状態でCable Powerを使用するバスパワード機器を接続した瞬間に発生します。現状ではMac本体側で Cable Power 供給回路の改造などは実施できませんので、下記の注意事項をお守りください。

[ 1 ] Macの電源を切った状態で、バスパワード機器を接続する。
 
接続1

Cable Power を使用するバスパワード機器をMac本体標準 FireWire ポートに接続する際には、必ず事前にMac本体の主電源をOFFにし、接続後再度ONにしてください。スリープ中も Cable Power が供給されていますので、この注意事項をお守りください。DVカメラなどのi.LINK機器や Cable Power を使用しない機器はMacの主電源をONにしたまま本体 FireWire ポートに接続しても、上記の破損事故は発生しません。(スリープ中にケーブルの着脱を行うとアプリケーションプログラムが機器を認識しなくなる場合がありますが、これは本件とは別の問題です)。また、同じ FireWire のデイジーチェーン内にバスパワード機器が接続されている場合は、必ず接続前にMac本体の主電源をOFFにしてください。
   
[ 2] 本体標準 FireWire ポートを使用しない。(拡張インターフェイスを使用)
 
接続2

MacOS動作中にHDDやその他の機器を接続したり取外したりできるのが FireWire の大きな特長のひとつですが、それが使用できないということになると FireWire の機動性が失われてしまいます。どうしても機動性を優先したい場合は、弊社のREX-PCIFU2 (PCIボード) 、REX-CFW3HREX-CFW4H (PCカード) などの FireWire ホストアダプタをご使用ください。PCIボードは予備の内蔵HDD電源 (+12V) 、PCカードは専用の+12V安定化出力のACアダプタを Cable Power 供給電源として使用します。弊社製インターフェイスでのホットプラグでは上記のような事故は発生いたしませんので、安心してご使用になれます。
   
[ 3] Cable Powerを使用しないようにFireWire機器側を改造するFR-DK1,DK2のみ
 
接続3

弊社ではホットプラグができる(MacOS起動中に機器の接続や取外しが可能)というFireWireの大きな特長や利便性を残しかつ事故をおこさないようにするため、弊社製品のハードウェアを9月初旬より順次変更してゆく予定です。FR-DK1、FR-DK2に関しては外部 Cable Power の使用の可否を設定できるように変更する予定です。なお、現在FR-DK1、FR-DK2をご使用中のお客様からの改造(インターフェイス交換)のお申し込みの受付も9月20日から開始いたしますが、今回の破損事故は弊社の機器側が原因ではないため有償とさせていただきます。

改造後、弊社機器を「Cable Powerを使用しない」モードに設定した場合は、機器内部の電源より機器側のFireWireインターフェイスにリピータとしての動作するために必要な電源を供給いたします。したがって DVカメラなどのi.LINK機器や Cable Power を使用しない機器を「Cable Powerを使用しない」モードに設定された弊社機器とデイジーチェーン接続でご使用になる場合は、弊社機器(FR-DK1、DK2など)の主電源は常にONにしておいてください。
FR-DK1、DK2のキースイッチON-OFFによるHDDの交換はこのリピート動作に影響を与えませんので、従来とおり Cable Power モードスイッチの状態にかかわらずMacOSの動作中にHDDを交換することができます。

FR-MDK1、RS-FWEC5Xは現行製品の生産を継続いたしますので、上記の注意事項[1][2]をお守りくださいますようお願いいたします。複数のFR-MDK1を市販のRAIDケースに収容してご使用中の場合や、Macの電源をONにしたまま繁雑にFireWireケーブルを着脱される場合はお問い合わせください。



▼破損事故発生のメカニズムについて


バスパワード機器を接続すると、Macのシステムボード回路を通じて FireWire PHYチップに過電圧が加えられるため。

<どのようにして本体標準 FireWire ポートが破損するのか>

FireWire の Cable Power はMacのシステムボード上では電源ユニット→逆流防止ダイオード→ポリスイッチ (自己回復機能を持つヒューズ) →LCフィルタ回路の順で FireWire ポートの1番端子に接続され、そこから外部の FireWire 機器に供給されます。また、この Cable Power はシステムボード上で定電圧レギュレータ回路を通して PHYチップ(FireWire の物理層のコントローラ)に3.3V (動作用電源) を供給しています。これはMac本体の電源Off時も外部からの Cable Power 供給を受けて、リピータとして動作させるために必要な回路です。


また、 FireWire の6Pコネクタはケーブル着脱時に信号ラインを保護するために1番端子 ( Cable Power ) と2番端子 (GND) が他の信号ラインの端子より長く作られており、ケーブル接続時には信号ラインより先に接触し、ケーブル抜去時には信号ラインより後で離れるように設計されています(図1)。

図1- オシロスコープ実測波形※Mac本体のFireWireポートを測定



Mac本体の電源がONになっている状態で、 Cable Power を使用する FireWire 機器を接続した瞬間(図1の1/10000のスケールの時間)を観測した波形が図2です。(なお、スリープ中も Cable Power が供給されていれば電源はONになっており、PHYも動作しています)

この瞬間では、上記で説明したように TPA+/TPA- の信号線はまだ接続されていません。この状態で FireWire 機器側と接続されているのは、 Cable Power (黄色の波形) とGND (緑色の波形) だけです(図2の1)。接続された瞬間はコネクタの端子同士がこすれあってノイズが発生します。しかしこれらのノイズは Cable Power とGND間で同位相なので、問題にはなりません ( Cable Power とGNDが連動して変化し、両者の間の電位差には変化がないため) 。

続いて FireWire 機器への突入電流により一瞬電圧降下が発生します (図2の2) 。更にその直後過渡現象により高電圧のスパイクが Cable Power 上に発生します (図2の3) 。このスパイクがMacのシステムボード上の定電圧レギュレータ回路を通してPHYチップの信号線 TPA+ (赤色の波形) /TPA- (紫色の波形) に影響を及ぼし、図2では8.9 V程度の電圧が信号線に加えられています。一方PHYチップの最大絶対定格 (これ以上の電圧をかけるとLSIが壊れるという電圧値) はVdd+0.5Vですので、3.8V〜4.1V以上の電圧をかけると時間にもよりますがLSIが破壊されることがあります。
回路図
※弊社で事故のあったiMacDVを調査した結果による

図2 - オシロスコープ実測波形 ※Mac本体のFireWireポートを測定
PowerMac G4 450 M5183 + FR-DK1 (リムーバブルケース)
▼電源ライン接続の瞬間(信号ラインは未接続)▼
(1)コネクタの端子同士がこすれあって電源ラインにノイズが生じる
(2)(1)と同時に、FireWire 機器への突入電流によって電圧降下が生じる
(3)高電圧のスパイクが電源ラインに生じ、信号ラインに過電圧(Max 8.9V)がかかる
→最大絶対定格を超えた電圧がPHYチップにかかり、破損する(弊社の見解)
PMG4+FR-DK1


弊社の見解では、 FireWire 機器接続時に TPA+/TPA- に加えられる過電圧によってPHYチップが破壊され、Mac本体の FireWire ポートが使用できなくなってしまうものと考えております。

参考までに各社バスパワード機器の接続時の実測波形を示します。

■別図(バスパワード機器のオシロスコープ測定波形)■
(Mac本体ポートではほとんどのバスパワード機器において過電圧の現象が見られます)


この図より、弊社のRS-FWEC5X、RHD-DT75G などスパイク電圧が小さく実用上は問題がないように思えますが、使用するケーブルの特性等により過渡現象の現われ方が異なりますので、「事故回避のための注意事項」をお守りください。

なお、弊社製 FireWire インターフェイスをご使用の場合は、 FireWire 機器接続時でも TPA+/TPA- に高電圧がかかることはありません(図3)。

図3 - オシロスコープ実測波形※REX-PCIFU2のFireWireポートを測定
PowerMac G4 450 M5183 + REX-PCIFU2( FireWire PCIボード) + FR-DK1
PMG4+PCIFU2+FR-DK1

WindowsPCにおいてオンボードのIEEE1394ポート(6ピン)をご使用の場合
 
WindowsPCではCable Power供給源としてHDD用の+12Vが使用されている場合が多く、バスパワード機器側で内部のIEEE1394回路の電源として+12Vを使用している場合は、本報告のような突入電流や過渡現象は発生いたしません。しかし、バスパワード機器側で+5Vを使用している場合やHDDのスピンアップなどにより大きな突入電流が発生する場合は、同様な事故が発生する場合があります。

弊社 FR-MDK1/DK1/DK2、RS-FWEC5/FWEC5X等はすべて内部のIEEE1394リピータ回路の電源として+12Vを使用いたしておりますので、本報告のような事故は発生いたしません。

SONY VAIO に標準搭載のIEEE1394ポートにFR-DK1を接続したところ、Cable Powerの変動による信号ラインへの影響は見出せませんでした(図4)。

図4 - オシロスコープ実測波形※VAIOのIEEE1394ポートを測定
SONY VAIO RX66 + FR-DK1
SONY VAIO RX66 + FR-DK1

WindowsPCにおいてオンボードのIEEE1394ポート(4ピン)をご使用の場合
 
4ピンは電源ラインがなく Cable Power を使用しないので、本報告のような事故は発生いたしません。

弊社IEEE1394インターフェイスをご使用の場合
 
バスパワード機器接続時でも TPA+/TPA- に高電圧がかかることはありませんので、本報告のような事故は発生いたしません。



▼お問い合わせ


その他、弊社製品の本件に関するお問い合わせは、サポートセンターまでお願いいたします。
郵便番号 556-0012
  大阪府大阪市浪速区敷津東1-6-14朝日なんばビル
    ラトックシステム(株)サポートセンター
  メール https://web1.ratocsystems.com/mail/support.html
  電話 :06-6633-0190(月〜金 10:00〜13:00 14:00〜17:00)
  FAX :06-6633-3553
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