
製造現場や研究施設などのさまざまな現場で活躍している、RS-232C接続の機器。これらのデータを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)を進める際、「通信ケーブルの配線工事が困難」「移動して使うため有線接続ができない」といった課題に直面することはありませんか?
そんなときは、既存のRS-232C機器を簡単にWi-Fi化し、設置の自由度を高める変換アダプターがおすすめです。本記事では、旧製品(REX-WF60)から大幅に改良し、さらに導入しやすくなった「RS-WF62」をご紹介します。
目次
RS-232C接続の測定器やFA機器は、安定した通信プロトコルとして現場を支えています。一方レガシーなD-Sub 9ピンコネクタは、現在のPCや端末にはほぼ搭載されていません。当社は豊富な実績と技術力を背景に、長年にわたってRS-232Cインターフェイスの開発を続けてきました。

PCとシリアル機器との接続は、変換アダプターなどで直結するケースが多いですが、ケーブルの長さや配線ルートには制約があります。製造ラインや倉庫などでは、機器の設置場所やレイアウト変更の自由度が制限されてしまうケースも少なくありません。
そこで、この課題を解決するのが、新製品「RS-WF62」です。これは、RS-232C機器とPC/端末間をWi-Fiで接続するシリアルWi-Fi変換アダプターです。

Wi-Fiに変換することのメリットは以下のとおりです。

RS-232C機器とWi-Fiで接続することにより、設置場所の制約が大幅に減少。工場やオフィスでのレイアウト変更にも柔軟に対応可能です。配線工事が困難な場所や、頻繁に移動をおこなう機器のデータ収集に最適です。
本製品は、RS-232C機器をネットワークに直接接続できる、いわゆるシリアルデバイスサーバーのWi-Fi対応版として機能します。
ネットワーク上のPCや、スマートフォン・タブレットからもRS-232C機器にアクセスできるようになります。例えば、現場の測定器に遠隔からアクセスしてデータを収集し、事務所のPCで集計・管理するといった、柔軟な運用体制が実現します。
RS-WF62は、使用環境に応じて切り替え可能な2つのWi-Fi接続モードを搭載しています。
RS-WF62自身がアクセスポイントとなり、PCやスマートフォンと直接1対1で接続するモードです。出張先やネットワーク構築が困難な現場で、一時的にPC・タブレットでデータ収集や機器の調整を行う場合にも便利です。

既存のWi-Fiルーターやアクセスポイント経由で、PCやスマートフォンと接続するモードです。設置されている測定器のデータを、社内のサーバーや事務所のPCで収集・管理するなど、運用の幅が広がります。


専用ドライバーにより、Windows PC上では仮想COMポート(COMx)として認識されます。専用ドライバー(RATOC VSP)を利用することで、PC側は物理的なシリアルポートのように認識します。これにより、長年使い慣れたターミナルソフトや、システム独自のデータ収集アプリケーションの改修を最小限におさえることができます。Wi-Fi接続でありながら、従来のRS-232C通信と同じ感覚で運用が継続できることは、インターフェイス変更に伴うコストの大幅な削減につながります。
RS-WF62は、設置環境や運用方法に合わせて、以下の複数の方法で給電が可能です。コンセントの位置に縛られることなく、機器を自由に配置できる利便性が向上します。
付属のACアダプターを使用して、コンセントから電源を供給する標準的な方法です。
接続するRS-232C機器のD-Sub 9番ピンから電源供給(DC 5V~12V)を受けることが可能です。これにより、ACコンセントがない場所でも、RS-232C機器本体から電源を取ってRS-WF62を駆動できます。

別売のUSBバスパワーケーブル(USBコネクタとDCプラグを備えたケーブル)RCL-USBDC-07を用いることで、市販のUSBモバイルバッテリーからの給電も可能です。これにより、電源が確保できない場所や、一時的なデータ収集時などの設置の自由度が広がります。
最新のWindows 11をはじめ、iOS、Androidの各OSに対応した設定ツールと通信サンプルプログラムを提供しています。Windows環境向けには「仮想COMポート接続モード」に加え、「TCP/IP接続モード」のサンプルプログラム(Visual Studio C++/VB/C#)も用意。自社での組み込み開発や、既存システムとのスムーズな連携といった、プロフェッショナルな現場のニーズに確実に応える製品です。
旧製品REX-WF60ユーザーの皆様から寄せられていた声をもとに、新製品RS-WF62は大幅な改良をおこなっています。
| 改良点 | 新製品 (RS-WF62) | 旧製品 (REX-WF60) |
|---|---|---|
| 対応通信パラメーター 【旧式機器も利用可能】 |
データビット: 7/8 ストップビット: 1/2 ボーレート1200bpsに対応 |
データビット: 8固定 ストップビット: 1固定 ボーレート1200bpsには非対応 |
| セキュリティ機能 (APモード使用時) 【安全性強化】 |
WPA、WPA/WPA2、WPA2、WPA2/WPA3、WPA3対応 暗号化通信はAESとTKIP(TKIPはWPAのみ)に対応 |
未対応 |
| セキュリティ機能 (INFモード使用時) 【安全性強化】 |
WPA、WPA/WPA2、WPA2、WPA2/WPA3、WPA3対応 | WEP、WPA、WPA2 |
| LED配置 【視認性強化】 |
コネクタ反対側に配置 | 本体天面に配置 |
| IPアドレス(APモード時) 【柔軟に対応】 |
任意(手動、およびRS-WF62のDHCPからリース) | 1.2.3.xx固定(REX-WF60のDHCPからリース) |
| D-Sub 9番ピン経由の給電 【柔軟に対応】 |
5V~12V に対応 | 5V のみ |
特に、データビット7/8、ストップビット1/2への対応は、旧式のシーケンサや特殊な計測機器など、厳密な通信パラメーター設定を要求する機器を利用されているお客様にとって大きな改善点となっています。旧製品では接続が難しかった機器も、RS-WF62なら柔軟に対応できるようになりました。

また、Wi-Fiセキュリティ機能についても強化されており、本製品はAPモード、INFモードともに、WPA3認証に対応しています。

さらに、APモード接続時には、パスワード入力設定をおこなうことで、意図しないWi-Fiホスト端末から接続されないようにすることもできます。

長年愛用されているRS-232C通信と、Wi-Fiネットワークの高い利便性を融合させたRS-WF62は、現場のDXを促進する強力なツールとなります。
REX-WF60からRS-WF62では、筐体サイズが変更になっています
新製品 RS-WF62は、旧製品 REX-WF60と比較して筐体サイズがわずかに大きくなりました。既存システムで製品を筐体や装置内部に組み込んで利用されていたお客様は、切り替えの際に設置スペースを再度ご確認いただくようお願いいたします。

この使用例は、RS-WF62をインフラストラクチャー(INF)モードで運用する際の代表的な構成です。RS-232C接続の測定器やFA機器などのシリアル機器を、社内のWi-Fiネットワークに接続。現場から離れた事務所のPCや、現場を巡回するタブレットから、リアルタイムなデータ収集や遠隔からの制御が可能になります。ケーブル配線が不要になることで、現場のレイアウト変更や機器増設にも柔軟に対応できます。

【図:RS-WF62使用例】 シリアル機器のデータを、社内LAN経由でPC・タブレットからアクセス
外部との配線が困難な防塵ボックスや恒温槽内に設置された電子天びんや計測器も、RS-WF62なら扉を閉めたままワイヤレスでデータ取得が可能です。ケーブルを通すための穴あけ加工や気密性の低下を気にすることなく、現場のDXを推進。機器のIP等級や温湿度を維持する必要がある場所で、有効な接続手段です。
また、Bluetoothに比べ通信距離が長いWi-Fi通信のため、隔離されたクリーンルーム内の電子天びんから離れた事務室のPCへデータを転送するといった運用にも適しています。

【図:防塵対策例】RS-232C機器を密閉性の高いケース内に設置した場合でも、密閉性を維持したまま外部から無線通信(Wi-Fi)でのデータ収集が可能です。
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REX-WF60からの移行に関するご相談や、貴社のRS-232C機器との接続検証など、ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
当社では、近距離での利用に最適なBluetooth変換(RS-BT62シリーズ)、中距離の通信を可能にするSub-GHz帯に変換(RS-SG61シリーズ)など、幅広いRS-232C無線化ラインナップを取り揃えています。