ラトックスシステム

ビジネスブログ

  1. TOP
  2. ビジネスブログ
  3. 既存設備にそのまま後付け、IoT通信ユニットではじめる遠隔監視システム

既存設備にそのまま後付け、IoT通信ユニットではじめる遠隔監視システム

2026.01.29

~無電圧接点信号、4-20mAセンサー、RS-485などの情報を収集し、クラウドで可視化~

本ページは、既存設備の信号をそのままクラウド化し、遠隔監視を短期・低コストで実現する方法をまとめた解説ページです。

低リスクではじめる既存設備の遠隔監視

工場やインフラ設備の現場において、「データの収集」や「遠隔監視」へのニーズが高まっています。 しかし、いざ導入を検討すると、以下のような壁にぶつかるケースが少なくありません。
 
コストと工期: 設備を入れ替えるには、膨大な費用と時間が必要
現場への負担: 導入のために、長年安定稼働している設備を止めたくない
改修リスク: 制御プログラムの変更に伴う、予期せぬトラブルが怖い
 
こうした「今の設備のまま、遠隔監視だけを追加したい」という切実な課題を解決するのが、既存設備からの信号をそのまま取り込める「IoT通信ユニット」です。
無電圧接点の信号やアナログ出力、RS-485通信といった、現場で一般的に使われるインターフェイスを使って、設備本体の動作に影響を与えることなくクラウド化を実現します。

本記事では、導入を検討されている方が「自社の設備にも使えるのか」が判断できるよう、接続方法や通信方式などのポイントを整理して紹介します。

アナログな情報をクラウドへつなげるIoT通信ユニット

IoT通信ユニットは、工場設備で一般的に使われる信号を幅広くカバーしています。特別な改造を行わず、今ある信号をそのままクラウドへ橋渡しできるのが最大の特徴です。新旧・メーカーを問わず、さまざまな機器をIoT化することができます。
 
このシステムは、主に「IoT通信ユニット」「ゲートウェイ」「クラウド」「アプリ」で構成されています。


<IoT通信ユニットを使ったシステム構成図>

システム構成とできること

1.IoT通信ユニットで設備のデータを収集

制御盤、各種センサー(温度・圧力等)、PLC、信号灯など、IoT化したい機器に直接接続します。
無電圧接点入出力、アナログ入力、RS-485通信のインターフェイスを標準搭載し、1台で多様なデータの同時収集が可能です。

2.ゲートウェイに複数設備のデータを集約

IoT通信ユニットが機器から受け取ったデータは、無線でゲートウェイへ転送されます。障害物に強く長距離通信が可能な920MHz帯(Wi-SUN)の電波を利用することで、大規模な配線工事を不要にし、工場内の広い範囲を効率よくカバーします。

3.クラウドとアプリで状況を可視化

データは、ゲートウェイからLTE-M回線を通じてクラウドへ送信。関係者はスマホやPCを使って、クラウドに蓄積されたデータの確認や取得をおこないます。異常発生時に通知を受け取ったり、日々のデータをグラフ化することで遠隔から状況を見える化。場所を選ばず、いつでも現場の状態を把握できるようになります。

無電圧接点入力で異常通知をIoT化

無電圧接点入力(ドライ接点)は工場で多く使われている信号方式です。制御盤のほか、パトライトなど信号灯のリレー出力の接点配線をそのまま接続できます。設備の異常信号や状態変化をクラウドに送信できるため、「まずは異常通知から始めたい」という現場に最適です。


<無電圧接点入力時のシステム構成図>

→ 無電圧接点入力を使った異常通知(詳細)
→現場の課題を相談してみる(お問い合わせへ)

現場を離れても安心、異常をキャッチし見逃しをゼロに

装置の制御盤から出ている「警報信号」を当社のIoT通信ユニットに接続。現場で警報が鳴ると、離れた場所にいる担当者のスマホ通知やメールでおしらせします。

履歴から稼働状況を把握し改善

警報信号をログとして残すことで、稼働状況の把握が可能となります。「いつ、どのくらい止まっていたか」は、改善のための貴重な根拠となります。

4-20mA(アナログ)入力で状態を可視化

IoT通信ユニットはセンサーデータを入力して「数値の可視化」をおこなうこともできます。
レベル計・圧力計・流量計など、プロセス系の計測器で広く採用されている4–20mA出力の標準信号に対応。計測値をクラウドに送信し、24時間の推移をグラフで確認できます。
タンク残量や配管圧力をスマホやPCで確認できるようにすることで、高所や危険な場所への巡回点検を大幅に削減します。


<4-20mA対応レベル計を接続時のシステム構成図>

→ レベル計と連携した液量監視(詳細)
→現場の課題を相談してみる(お問い合わせへ)

RS-485(Modbus)対応機器を遠隔監視

温調器や電力計、PLCなど、制御機器の多くが採用する通信方式です。
Modbus対応機器であればメーカーを問わず接続でき、出力データをそのままクラウドに送信できます。
既存の制御処理を変えずにIoT化できるため、「制御はそのまま、データだけ取りたい」 という現場に向いています。


<RS-485対応温調器を接続時のシステム構成図>

→温調器の遠隔監視・設定変更(詳細)
→電力計と連携した電力監視(詳細を開く)
→現場の課題を相談してみる(お問い合わせへ)

パルス入力で使用量や生産数をクラウド管理

流量計や電力量計の積算パルスを取り込み、使用量や生産数をクラウドで管理できます。
DIPスイッチで接点入力と切り替えられるため、環境に応じて柔軟に活用できます。

無電圧接点出力で現場の機器をリモート制御

クラウド側から回転灯やブザーを制御でき、異常検知時に遠隔地の設備へアクションを返すことが可能。監視だけでなく、現場へのフィードバック まで含めた運用ができます。


<無電圧接点出力の機器を接続時のシステム構成図>

→ 無電圧接点出力を使った制御(詳細)
→現場の課題を相談してみる(お問い合わせへ)

離れた場所で「回転灯」を光らせる

例えば「地下のポンプ室で異常を検知した際、1階の事務所に設置した回転灯を点灯させる」といった連携が可能です。画面上の通知だけでなく、音や光で確実に周囲へ知らせることができます。

遠隔リセットや外部機器制御

現場に行かなくても、PCやスマホからの操作で、接点出力につないだ機器の再起動やブザー停止などを行うことができます。

現場のニーズに合うインターフェースを選択


<IoT通信ユニット本体写真>
インターフェース ポート数 接続対象(例) 解決できる課題(ニーズ)
無電圧接点入力 5(※1) 警報接点、信号灯 異常の即時通知、稼働状況のログ収集(日報作成の自動化・チョコ停の見える化)
アナログ入力 (4-20mA) 1(※2) 液量計、流量計、濁度計 タンク残量や配管圧力の数値監視(残量不足によるライン停止の防止)
RS-485 (Modbus) 1 温調器、電力計、PLC 各種計測値の自動収集、設定値の遠隔確認(事務所から遠隔設定・品質管理の厳格化)
パルス入力 1(※3) 流量計 累計使用量の把握、生産数のカウント
無電圧接点出力 2 回転灯、ブザー 異常時の報知連携や、外部機器の遠隔操作

 
※1 a接点/b接点の混在対応(DIPスイッチでポートごとに設定可能)
※2 4-20mAx4ポートモデルもあります
※3 無電圧接点入力ポート5と排他利用

工場環境に適した通信方式とコスト構造

Wi-SUN(920MHz帯)による安定通信

IoT通信ユニットとゲートウェイ間は920MHz帯のため、Wi-FiやBluetoothとの干渉が少なく、回り込み特性に優れていて遠くまで飛びやすい特徴があります。通信距離は見通し最大500m、中継器使用で1000mです。また、社内ネットワークに依存せず通信設備の工事も不要なため、IT部門の負担が少なくてすみます。

ゲートウェイ単位の通信契約でコストを最適化

クラウドとの通信は、ドコモまたはソフトバンクのキャリア回線(LTE-M)を使用します。ゲートウェイは、これらの電波が安定して入るところに設置します。ゲートウェイには、複数のIoT通信ユニット(最大12台)が接続できます。
 
なお、回線の通信費とクラウド利用料はライセンス費に含まれています。ライセンス費はゲートウェイ1台あたり15,000円(税別)固定で、IoT通信ユニットが増えても予算管理がしやすいのが特徴です。

展開予定のIoT通信ユニットラインナップ

2026年には新たな「IoT通信ユニット」ラインナップの展開を予定しています。


<新製品外観イメージ(変更となる場合があります)>

HART信号対応モデル

高精度なデジタル計装機器に対応。既存のアナログ資産を活かしつつ、より詳細なデバイス情報の取得が可能になります。

LTE-M / Wi-Fiモデル

ゲートウェイを介さず直接通信可能なモデルや、社内Wi-Fiを活用できるモデルなど、通信環境に合わせた選択肢がさらに広がります。

現場に合わせて広げる、既存設備のIoT化

IoT通信ユニットは、「設備更新は難しいが、遠隔で状況を把握したい」という現場にとって、無理なく始められるIoT化の手段です。まずは、いまお使いの設備がどの信号に対応しているかを確認するだけでも、IoT化の可能性は大きく広がります。
 
当社のIoTソリューションは、ハードウェアからクラウド、スマートフォンアプリまで一貫して自社で設計・開発しています。そのため、特定機器との連携やアプリのカスタマイズなど、標準パッケージでは対応しきれない細かなニーズにも柔軟にお応えできます。
 
例えば、まずは異常通知からスモールスタートし、効果を確認しながら段階的に機能や規模を拡張していくことも可能です。現場に無理のない形で、最初の一歩を一緒に考えてみませんか。

配布資料のダウンロードとお問い合わせ

「IoT通信ユニット」カタログは、以下サイトよりダウンロードいただけます。

 
まずは「どんなデータがIoT化できるか知りたい」といった情報収集段階のご質問も大歓迎。ぜひフォームからお問い合わせください。