新機能

もろみ日誌クラウドで酒造り全体の温度管理DXが可能に~製麹、発酵、原料や製品の保管までトータルにサポート~

2023年5月31日

ラトックシステム株式会社

ラトックシステム株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:近藤 正和、以下「ラトックシステム」)は、2023年6月より酒造現場向け「もろみ日誌クラウド」に新たな温度管理のサービスを追加いたします。

もろみ日誌クラウドは、日本酒造りで重要と言われている酒造3工程の品温管理をサポートするソリューションです。麹、酒母、もろみの品温を自動でクラウドに記録、酒税法の記帳事項に対応した経過簿や製造帳の帳票出力にも対応し、手書きを減らすことで現場負担を軽減しています。また、遠隔からスマートフォンで麹、酒母、もろみの品温確認や設定温度の変更、通知受信がおこなえるため、現場から離れているときも臨機応変の対応が可能で、酒質の安定化にも貢献しています。

新機能について

この度、これら酒造3工程に加えて、さまざまな場所の温度を自動で記録、遠隔から監視できる「温度管理モード」機能を盛り込みました。酒造りの工程だけでなく、酒米などの原料や瓶詰めした商品を保管する倉庫、冷蔵庫、冷凍庫などの温度管理もまとめてもろみ日誌クラウドでおこなうことが可能になりました。
使用する無線システムとアプリは従来と共通で、新たに追加が必要なのは温度センサーのみ。ライセンスも共通で、本機能追加によるオプション費用などは発生しません。もろみ日誌クラウドの導入環境では、酒造り現場全体の温度管理DXを低コストでおこなうことが可能になりました。

ゲートウェイを追加する場合は、複数台ライセンスでの対応となります(ゲートウェイ接続可能台数は最大4台)。


  • 品温モニタリング画面(酒造3工程)


  • 【新機能】温度管理モード画面(保管温度)

背景

酒造りは、外気温が低い冬に発酵の温度管理をコントロールする「寒造り」が主流です。最近では安定的な品温管理をおこなうため、蔵自体を温度管理したり、蔵を冷蔵設備化し1年を通して酒造りをおこなう四季醸造も増えています。さらに、瓶貯など製品保管用の冷蔵庫導入も増えており、酒造工程以外でも温度管理が求められています。

また、日本酒の輸出が拡大しているなかで、輸出先から食品業界で制度化されたHACCP認証を求められることもあります。HACCP取り組みでは衛生管理のほか、材料や製品の保管温度を日々計測し記録する作業が必要です。酒造りに加えてこれらの温度管理を人の手でおこなうことは、働き方改革を進める酒造現場の負担にもなります。

当社は、HACCP運用の温度記録、監視の省力化ソリューションとして、自動温度管理システム「ハサレポ」を展開しています。今回のもろみ日誌クラウドのアップデートでは、ハサレポで実現している機能を融合。酒造3工程に特化していたもろみ日誌クラウドを、酒造り現場の温度管理をトータルで支援するソリューションとして提供するに至りました。

もろみ日誌クラウドの特徴

酒造現場のあらゆる場所の温度を集約、人手による記録をゼロに

酒造3工程(麹・酒母・もろみ)の品温は事績ごとに自動で記録。温度管理モードでは、場所ごとの温度を自動で記録、管理します。10分ごとの自動計測できめ細かく温度変化を可視化でき、通知で早期に異常や変化を知ることが可能です。記録と監視の自動化により、酒造りおよびHACCPの取り組みで重要な温度の確認、記録、帳票作成にかかる労力を大幅に削減します。

酒造現場の温度管理がワンパッケージで導入可能

センサー、ゲートウェイ、アプリ、クラウド、通信費、必要なシステムをワンパッケージで提供します。 品温や温度を測るセンサーは電池駆動の無線接続で、電源や配線工事は不要。ゲートウェイはセルラー(LTE-M)回線使用で、新たな通信設備も必要ありません。ゲートウェイとセンサー間の通信距離は見通し1000mで、1台のゲートウェイに最大12台のセンサーが接続可能です(いずれも中継器使用時の最大値)。

品温管理機器や醸造機器などクラウド連携を拡大、現地に足を運ぶ頻度を削減

さまざまな機器、装置のIoT化にも活用可能です。もろみ日誌クラウドは、醸造機器にあとづけで無線通信の機能を追加することで、クラウド経由での遠隔監視を実現します。既存タンクや品温管理盤に搭載された温調器に追加する「RS-485通信ユニット」は、計測した温度の自動記録、スマホでの異常通知受信、設定温度の変更を可能にします。醸造機器の警報出力(無電圧接点)を受信する「もろみ警報ユニット」は、スマホやメールでの警報通知を追加するデバイスです。
従来は現地でおこなっていた確認や設定をスマホに置き換えることで、足を運ぶ頻度を大幅に削減できます。

サービスイメージ

提供機能一覧

酒造3工程(麹・酒母・もろみ)

自動記録

品温、室温、湿度を10分間隔で自動計測。人手による計測を削減。

スマホで遠隔監視

スマホで品温確認。品温のリアルタイム計測も可能。

スマホに通知・
メールで通知

指定の品温を超えたら通知。上限下限、偏差でのしきい値設定も可能。センサ-電池残量の通知。電波切断時の通知。異常の早期発見が可能に。

スマホで遠隔制御

対応クーリングタンク、品温管理機器の設定温度の変更が可能。温調器の設定温度変更時の通知(アンサーバック)。きめ細かな設定変更と情報共有により、酒質を安定化。

事績をDB化

事績単位で品温、分析値、状ぼう写真の記録に対応。過去の事績も入力し、比較分析や技術伝承への利活用が可能。

帳票・CSV出力

事績単位で帳票印刷(酒税法の記帳事項に対応)、CSVエクスポートが可能。製成歩合の自動計算で帳票作成業務を省力化。

グラフで可視化

品温、室温、湿度、BMD値、AB直線、原エキスのグラフを表示。データ分析に活用。

【新機能】
温度管理モード

自動記録・可視化

作業場や冷蔵・冷凍施設などを10分ごとに自動計測。スマホからリアルタイム計測も可能。

スマホに通知・
メールで通知

指定の温度を超えたら通知。上限下限のしきい値の設定が可能。

HACCPに活用

場所ごとに温度・湿度を記録、異常通知もあわせて自動記録。HACCPで求められている対応の入力記録も可能。

帳票・CSV出力

蓄積された温度、湿度データの帳票印刷、CSV出力が可能です。

製品写真

関連URL

 

お問い合わせ

  • もろみ日誌クラウドに関するお客様からのお問い合わせ先
    ラトックシステム 東京支店 コーポレート・ソリューショングループ
    Mail:https://sol.ratocsystems.com/contact/
    TEL:03-5847-7600
 

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