木曜日、5月 21、2020

Raspbianの日本語化と日本語入力の有効化

[url=http://www.ratocsystems.com]ラトックシステム[/url]のRaspberry Pi CM3 キャリアボード「[url=http://www.ratocsystems.com/products/subpage/cm3mb2.html]RPi-CM3MB2[/url]」「[url=http://www.ratocsystems.com/products/subpage/cm3mb3.html]RPi-CM3MB3[/url]」が、本日出荷開始いたしました。

今回は、前回インストールをおこなった「Raspbian」の環境設定をおこないます。

[more]

Raspbian のセットアップ

それでは早速ですが環境構築をおこなってまいりましょう。
今回の説明では、Raspbian のインストールが完了している前提でお話をしますので、もしまだお済でない方は 「[url=https://www.raspberrypi.org/downloads/raspbian/]www.raspberrypi.org[/url]」からダウンロード及びインストール作業を実行してください。

[h4][color=#009933]初期設定[/color][/h4]
はじめに表示やロケール関連のセットアップをおこないます。
1)左上の”MENU”をクリックし「Preference」>「Raspberry Pi Configuration」をクリックします。
2)クリック後、Raspberry Piの設定ウィンドウが開いたら、その中にある "Localisation" タブをクリックします。
3)画面が切り替わったらタブ内の "Set Locale" をクリックします。
4)各設定項目が表示されますので、以下の部分をそれぞれ変更してください。

[quote][color=#3399cc][b]Language[/b] = 「[b]ja(japanese)[/b]」
[b]Country[/b] = 「[b]JP(Japan)[/b]」
[b]Character Set [/b]= 「[b]UTF-8[/b]」[/color][/quote]

5)次に "Set Timezone" 設定します。デフォルトのタイムゾーンとは 9時間のズレがありますので、日本時間に変更する必要があります。
[quote][color=#3399cc][b]Area[/b] =「[b]Japan[/b]」[/color][/quote]

6)続いてキーボードの設定です。こちらはご使用になるキーボードにあわせてセッティングをおこなってください。

[quote]例:一般的な日本語キーボードの場合は:[color=#3399cc][b]日本 日本語(OADG 109A)[/b][/color]を選択してください。[/quote]

7)セッティング後ウィンドウの "OK" をクリックすると、反映のための再起動を促されますので「YES」を選択し再起動してください。


[h4][color=#009933]各種アップデート[/color][/h4]
Raspbianは日々更新されていますので、最新版をダウンロードした場合でも更新ファイルが提供されている場合があります。
念のためシステムのアップデート及びアップグレードをおこないます。
デスクトップの上部にある "[b]LXTerminal[/b]" を起動します。

[img=./img/lx_term_icon.png]

起動後、以下の文字列を入力します。

[code]
$ sudo apt-get update
[/code]

処理後、以下の文字列を入力してください

[code]$ sudo apt-get upgrade[/code]

※上記のコマンドを入力後、アップグレードに数分かかる場合があります。


[h4][color=#009933]日本語入力をおこなう準備(mozcのインストール)[/color][/h4]
Raspberry Piはそのままでは日本語の文字化けや日本語入力をおこなうことができませんので、日本語が入力できる様、インプットメソッドをインストールします。

[code]$ sudo apt-get install ibus-mozc[/code]

インストール後、再起動することで日本語入力が可能になります。

Raspberry Pi のセットアップ(その2)

前回でインストールに必要なツールのダウンロードをおこないました。
今回は、Raspbianのインストールをおこないましょう。
[more]


[color=#228b22][b]1)イメージファイルの書き込み(Windows:Win32DiskImager)[/b][/color]
前回ダウンロードしたRaspberry PiのOS「Raspbian」のファイルを「Win32DiskImager」を使って書き込みます。
はじめに「Win32DiskImager」を起動します。

[img=./img/v02/win32_ov0.png]
Win32DiskImager画面

起動すると上記の画面が表示されます。
各項目については以下を参照してください。


[b]a)Image File[/b]
書き込むためのイメージファイルを参照します。
参照するとテキストボックスにパス(Path)が表示されます。

[img=./img/v02/win32_ov1.png]
解凍したイメージファイルを選択します

[b]b)Device[/b]
参照するSDカードのドライブを指定します。

[img=./img/v02/win32_ov2.png]
書き込みたい対象のドライブを選択します

[b]c)Hash:ハッシュ値の生成と取得(デフォルト値はNone)[/b]
ハッシュ値を生成するための項目です。使用しないためそのままでかまいません。

[img=./img/v02/win32_ov3.png]
ハッシュ値を取得する場合はこの項目を操作します
※使用しません

[b]d)割り当てられたパーティションの読み込み(デフォルトはチェックなし)[/b]
このチェックボックスは、SDカード内の割り当てられたパーティションのみ読み込むかのチェックとなります。そのままでかまいません。

[img=./img/v02/win32_ov4.png]
パーティションの割り当てがある場合はここを選択します
※使用しません

[b]e)Progress(進捗状況)[/b]
書き込みを開始すると、進捗状況が一目でわかるバーで表示されます。

[img=./img/v02/win32_ov5.png]
進行状況に合わせてプログレスバーが表示されます

[b]f)各種操作ボタン[/b]
書き込み作業やバックアップに使用します。
以下の2つが特に使うので覚えておいて下さい。
[color=#3322ff]Write[/color]:ダウンロードしたイメージファイルをSDカードに書き込みます。
[color=#ff2233]Read[/color]:SDカードにあるOSをバックアップします。

[img=./img/v02/win32_ov6.png]
書き込みやバックアップをおこなうための操作ボタンです
今回は "Write" のみ使用します

[color=#228b22][b]2)Win32DiskImager 書き込み手順(Windows)[/b][/color]
[b]I)イメージファイルの読み込み[/b]
「Win32DiskImager」の起動後、"Image File" のディスクマークをクリックし、解凍したファイルを読み込みます。

[img=./img/v02/write_01.png]
ディスクマークをクリックしてイメージファイルを読み込みます
[img=./img/v02/write_02.png]
イメージファイルを読み込むとこのような表示になります

[b]II)書き込みドライブの確認[/b]
書き込み対象のSDカードのセットされているドライブが表示されているドライブ名と同じか確認します。

[img=./img/v02/write_03.png]
ドライブ名が正しいか確認してください

[b]III)書き込みドライブの確認[/b]
上記の項目がOKであれば、"Write"をクリックすると確認画面が表示されます。

[img=./img/v02/write_04.png]
"Write"をクリックすると最終確認のダイアログが表示されます

"Yes" をクリックすることで自動的に書き込みが開始されます。

[img=./img/v02/write_05.png]
"Yes"をクリックすると自動的に書き込みが開始されます
[img=./img/v02/write_06.png]
書き込み中はプログレスバーで進捗がわかります

書き込みが正常に終了すれば以下のダイアログが表示されます。

[img=./img/v02/write_07.png]
"Successful"と表示されればインストール作業は成功です

以上でRaspbianのインストール作業は完了です。


[color=#228b22][b]3)イメージファイルの書き込み(Win/Mac共通:Etcher)[/b][/color]
イメージライティングアプリケーション「Etcher」を使用した書き込み方法は以下のとおりです。

[b]i)ファイルの読み込み[/b]
Etcherを起動すると下記の画面が表示されます。
左側にある "Select Image" をクリックし、"イメージファイル" もしくは [color=#ff3366][b]"ZIPファイル"[/b][/color]を選択します。
EtcherはZIPファイルを取り込んだ場合でもそのままイメージを書き込んでくれます。

[img=./img/v02/etcher_01.png]
"Select Image"を選択しファイルを読み込みます
そのとき ZIPファイルのままでもかまいません

[b]ii)ファイルの書き込み[/b]
Etcherは読み込みが終わるとすぐに書き込みが可能な状態になります。
このとき、画面中央のドライブ設定が間違っているとSDカードではない場所にインストールされますので、書き込みの前には必ず書き込み先のドライブを確認してください。

確認後、画面右側の "Flash!" をクリックすることで、自動的に書き込みが開始されます。

[img=./img/v02/etcher_02.png]
"Flash!"をクリックすると書き込みを開始します
[img=./img/v02/etcher_04.png]
書き込み中はこのような画面が表示されます
[img=./img/v02/etcher_05.png]
書き込み中が終了すると、上記の画面が表示されるのでアプリケーションを終了させてください

以上で、Etcherを使ったイメージの書き込みは完了です。


[color=#228b22][b]おまけ)Win32DiskImagerを使ったハッシュ値確認[/b][/color]
ダウンロードしたファイルを書き込んだのにRaspbianが動作しなかった、など経験はありませんか?
ひょっとするとダウンロードしたファイルが壊れているかもしれません。
ここでは、Hash値を使ったファイルの比較・確認をおこないましょう。

[b]1)Win32DiskImagerのHash生成を利用する[/b]
Win32DiskImagerにはHash生成機能を使ってファイルが正しくダウンロードが実行されたかを確認します。
はじめに、[url=https://www.raspberrypi.org/downloads/raspbian/]Raspbianのダウンロードページ[/url] にある
ダウンロードボタンの下部分に "ハッシュ値" が記載されています。

[img=./img/v02/hash_00.png]
公式サイトにはダウンロードファイル(ZIP)のハッシュ値が記載されています

この値を控えておきます。
次にアプリケーションを起動します。

[img=./img/v02/win32_ov0.png]
Win32DiskImager画面

アプリケーションが起動したら、ディスクマークをクリックしファイルを読み込みます。

[img=./img/v02/write_01.png]
ディスクマークをクリックしてイメージファイルを読み込みます

ファイル選択のダイアログの状態で選択対象を "Disk Images"から "ワイルドカード(*.*)"に変更します。

[img=./img/v02/wild.png]
選択範囲をワイルドカードに変更します

この状態で、ダウンロードした ZIPファイルを選択します。
下記画面で対象のファイルが [color=#ff3366][b]"ZIPファイル"[/b][/color] になっていることを確認してください。

[img=./img/v02/hash_01.png]
ZIPファイルになっていることを確認します

この状態でHashの生成をおこないます。
公式サイトに記載されているハッシュ値は SHA-256での値なので、生成の方法を "SHA256"に変更し "Generate"ボタンをクリックします。

[img=./img/v02/hash_02.png]
生成をSHA256に変更し Generate をクリックします
[img=./img/v02/hash_03.png]
生成中はGenerate...とひょうじされます

生成が終わるとハッシュ値が表示されます。公式サイトの値と比べ同じかを確認し、違っていれば再度ダウンロードをおこなってください。

[img=./img/v02/hash_04.png]
生成中されると以下の値が表示されます

Raspberry Pi のセットアップ(その1)

ラトックからRaspberry Pi CM3用 キャリアボードの新モデル「[url=http://www.ratocsystems.com/products/subpage/cm3mb2.html]RPi-CM3MB2[/url]」と、PoE対応ボード「[url=http://www.ratocsystems.com/products/subpage/cm3mb2.html]RPi-CM3MB2-PoE[/url]」「[url=http://www.ratocsystems.com/products/subpage/cm3mb3.html]RPi-CM3MB3[/url]」が発売されました。このブログでは、キャリアボードのセットアップから使い方までわかりやすく解説します。
すでに使いこなしているベテランも、初めて携わるビギナーも楽しみながら"ラズパイ"を活用しましょう!
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[b][color=#228b22]1)Raspbian インストールの準備[/color][/b]
まず初めにセットアップに必要なものを準備します。
※今回のセットアップには、ラトック Raspberry Pi キャリアボードを使用します。

[b]▼用意するもの[/b]
[list]
[*]WindowsパソコンもしくはMac
[*]Raspberry Pi Compute Module 3
[*]キャリアボード RPi-CM3シリーズ
[*]micro SDカード ※8GB以上、16GB以上推奨
[*]USBキーボード・USBマウス・HDMI搭載のディスプレイ
[*]Ethernetケーブル ※有線LAN接続用
[/list]


[b][color=#228b22]2)SDカードのフォーマット[/color][/b]
必要な機材が準備できたら、次に micro SD カードを初期化します。フォーマットユーティリティは、SD Associationのサイトで無料配布されています。
[b]▼「SD Formatter」ダウンロード先[/b]
[url]https://www.sdcard.org/jp/downloads/formatter_4/[/url]

SD Formatterは Windows / Mac共に提供されていますので、それぞれお持ちのコンピュータにあわせてダウンロードしてください。
ダウンロードしたファイルをインストールした後、起動しSDカードをフォーマットしてください。

[b]▼「SD Formatter」フォーマット手順[/b]

[img=./img/v01/sdformat.png]

[b][color=#228b22]3)イメージ書き込み用アプリを準備する[/color][/b]
Raspbian OSの構築に必要なイメージ書き込み用アプリケーションのダウンロードとインストールをおこないます。ファイル書き込みアプリには以下のようなアプリケーションがあります。

[b]▼イメージライティングでよく使われているアプリケーション[/b]
[list]
[*][b]Win32Diskimager[/b](Windows)
[*]⇒ [url]https://sourceforge.net/projects/win32diskimager/[/url]
[*][b]Etcher[/b](Windows & Mac)
[*]⇒ [url]https://etcher.io/[/url]
[*][b]RPi-SD Card builder[/b](Mac)
[*]⇒ [url]https://alltheware.wordpress.com/2012/12/11/easiest-way-sd-card-setup/[/url]
[/list]

使用するコンピュータに合わせてそれぞれダウンロード・インストールをおこなってください。

[img=./img/v01/Win32DiskImager.png]
[size=85%]Win32Diskimager のインターフェイス[/size]
[img=./img/v01/Screen-Shot-2017-05-23-at-15.14.18.png scale=70%]
[size=85%]Etcher のインターフェイス[/size]

[b][color=#228b22]4)圧縮ファイル解凍ユーティリティを準備する[/color][/b]
次に、ダウンロードする圧縮ファイルを解凍するために必要な解凍ユーティリティをダウンロードします。今回使用するのは、圧縮・解凍ユーティリティとしてとても有名な「7-Zip」を使用します。
下記URLからダウンロード及びインストールをおこなって下さい。
[b]▼「7-Zip」ダウンロード先[/b]
[url]https://sevenzip.osdn.jp/[/url]


[b][color=#228b22]5)Raspbianのダウンロード[/color][/b]
Raspberry Piを使用するためのOS「Raspbian」をインストールします。
インストールは今回「Raspbian Stretch with desktop」を使用しています(2018/03/20現在)

[img=./img/v01/raspbian_dload.png]

下記URLより使用する「Raspbian Stretch with desktop」の欄にある「Download ZIP」をダウンロードしてください。
[b]▼ Raspberry Pi 公式 ダウンロードページ[/b]
[url]https://www.raspberrypi.org/downloads/raspbian/[/url]
ファイルのダウンロードが終われば、次にダウンロードファイルの解凍をおこないます。


[b][color=#228b22]6)Raspbianファイルの解凍[/color][/b]
先ほどダウンロードしたRaspbian Stretch with desktopの解凍をおこないます。Windowsの場合は先ほどダウンロード・インストールをおこなった「7-Zip」を使用します。
[b]▼「7-Zip」の使い方[/b]
a)ダウンロードしたRaspbianの圧縮ファイルを右クリックします。
b)表示されたメニューから「7-Zip」を選択し「ここに展開」をクリックすることでファイルが解凍されます。

[img=./img/v01/rasp_zip.png scale=80%]

ダウンロードとファイル解凍をおこない、インストールの準備が整いました。
次回はSDカードへ書き込みをおこないます。